メニュー

検尿異常、どうする?

検尿異常のポイント

症状がなくても放っておいてはダメ、きちんと検査をすることが健康寿命のための第一歩です。

 腎臓の病気の診断には、尿検査(検尿)でわかるタンパク尿や血尿、血液検査でわかるクレアチニンといったものが必要となります。腎臓の機能が衰えてきても、なかなか症状が出現しないため、腎不全(腎臓のはたらきが30%以下まで衰えた状態)に進行するまで気づかれないことも多いです。透析が必要となる直前の状態となって、浮腫みが出てきて見つかるといったこともあり、尿検査や血液検査による早期発見が重要となってきます。

 また、検尿により泌尿器疾患(腎臓や尿管、膀胱、前立腺の癌など)の発見につながることもあります。さらに、尿検査は慢性腎臓病の早期発見のみならず、慢性腎臓病の治療がうまくいっているかどうかの判断にも役立ちます。糖尿病や高血圧の治療、薬剤の効果により尿タンパクを減らすこともできます。検尿は簡単かつ安価な検査ですが、とてもリーズナブルな検査です!

 

 

 

尿潜血・血尿

 血尿は尿に血液中の成分(赤血球)が漏れ出ている状態のことを表します。見た目ではわからないものの、顕微鏡でみると赤血球が尿中に混じっている状態を“尿潜血(顕微鏡的血尿)”と言い、目で見て血液が混じっているとわかる状態を“(肉眼的)血尿”と言います。

 

尿潜血・血尿の原因
 血尿の原因には、糸球体腎炎のように腎臓由来の出血と、尿路結石や膀胱癌のように尿の通り道である腎孟、尿管、膀胱、尿道に原因がある出血に大きく分けることができます。腎臓由来の出血は主に腎臓内科、腎孟、尿管、膀胱、尿道に原因がある出血は主に泌尿器科が専門としています。血尿に加えて、タンパクも混じっている場合は糸球体腎炎という疾患が疑われ、腎生検(腎臓に細い針を刺して組織をとる検査)という精密検査が必要になることがあります。(検査のページ)また尿の通り道からの出血が疑われる場合は、尿の中に悪性の細胞(いわゆる癌細胞)が混じっていないかを調べる必要があります。

 

タンパク尿と尿潜血/血尿

尿潜血/血尿

急性や慢性の糸球体腎炎、膠原病による腎疾患など

泌尿器系の癌や尿路結石、膀胱炎、前立腺炎など

 

タンパク尿

 タンパク尿は尿中にタンパクが漏れ出ている状態のことを言います。タンパクは筋肉等、体にとって大切な構成成分ですから、健康であればほとんど尿に混ざることがありません。尿中のタンパク量が150mg/日以上になると臨床的にタンパク尿と診断しています。


タンパク尿の原因

 急性腎炎や慢性腎炎といった腎臓自体に炎症がおきる病気や、糖尿病や高血圧、膠原病(こうげんびょう)といった全身疾患が腎臓に影響を及ぼして起きる腎障害があります。そして、タンパク尿の程度は腎障害の程度を示す指標となります、つまり、腎臓の状態が悪くなるとタンパクが増加し、改善するとタンパクが減少します。このような動きをすることから”腎臓の涙”と表現されることもあります。腎臓の涙を放置すると腎臓の機能が低下するのみならず心血管疾患(心筋梗塞や脳卒中など)の入院・死亡の危険性が増加することが明らかになっています。


 健康診断などでタンパク尿陽性と診断された場合には、それが一時的で心配のいらない良性のものか、詳しい検査と治療が必要となるものかを判断しなければなりません。
良性のタンパク尿には、起立性蛋白尿や運動後・発熱時のタンパク尿があります。病的タンパク尿には、ミオグロビン尿、糸球体性、尿細管性、尿路系疾患に伴うタンパク尿などがあります。良性・病的蛋白尿の判断には、採尿時の状況(運動後、発熱時、月経時など)に注意する必要があります。そのような身体的要因を除くために、日を改めて再度検査をしたり、早朝起床時と来院時の尿を検査したります。早朝起床時の尿と来院時の尿を比べることにより、起立性蛋白尿の判断ができることもあります。

 また、再検査するときには、尿の試験紙法だけでなく、尿タンパクを定量化することで、より正確に状態を把握することができます。さらに正確な検査として、1日(24時間)の尿をためてもらい正確に尿タンパク量を測定する「蓄尿検査」という方法もありますが、これは入院して行うことが多いです。

 なぜ、尿にタンパクが出るのか、その原因を調べることが重要であり、他の血液検査や超音波検査の結果等を合わせて調べていきます。そして、必要であれば更に詳しい検査(腎生検など)を行うことになります。

※腎生検が必要と判断した場合は、より高次の医療機関にご紹介させて頂きます。

 

尿糖

 尿糖に関しては、主に血糖値が高くなること、つまり糖尿病が原因で出てくることが多いです。まれではありますが、腎性糖尿といって血糖値に問題がないのに、腎臓の一部の機能が弱いために尿に糖が出る場合があります。血糖値に問題がなく、腎性糖尿であった場合は特に治療は必要ありません。ただ、健康診断で尿糖が出ていると指摘された場合は、一度は精密検査を受けて糖尿病がないかどうか、その他の病気はないかどうかを、チェックすることをお勧めします。糖尿病については詳しくはこちらを参照ください。

 

このような方には尿検査をおすすめます
  • 尿の異常に気付いた(尿の色、回数、におい、泡立ちなど)
  • 健診等の尿検査でタンパク尿や血尿を指摘された
  • 自覚症状がないからといって、定期健診を受けていない
  • 仕事が忙しい等で健康診断を受けていない
  • 味が濃いものが好き、体重が増えて肥満の状態であるなど生活習慣が気になる

 

大阪、都島・野江内代のサクラ糖尿病・腎臓・内科クリニックでは2人の専門医が内科を幅広く診療しております。困った症状は放置せずに受診をおすすめします。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME