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高血圧治療 薬物療法 Q&A

高血圧の治療目標値

 

高血圧の治療には食事や運動などの生活習慣の改善、そして薬物療法があります。まずは生活習慣の改善を行います。それでも目標に達成できない場合に、薬物療法を始めていきます。(ただし、血圧の状態や他のお体のご病気と踏まえて、すぐに薬物療法を開始する場合もございます)ここでは、薬物療法について説明いたします。

 

主要降圧薬

高血圧の治療では以下の種類の薬を1つもしくは2つ以上併用し、治療を行います。それぞれ患者さんの体の状態をしっかり評価し、他の病態も考えたうえで薬物選択をしていきます。

一般的(緊急を必要としない)な場合には、ゆっくりと血圧を下げることが望ましいと言われています。1種類の薬でコントロールが悪い場合、増量することもあれば、異なる種類の薬を併用することもあります。異なる種類の薬の併用は降圧効果が大きく、目標の達成するために有用であるとも言われています。また1錠に複数の薬剤が配合されている薬もあり、お薬の調整も含めてご相談いただけたらと思います。

 

高血圧の治療は、医師だけではできません。長期間にわたって続けていくものですので、患者さんの『自分も治療に参加する』という気持ちが大切になってきます。あれもダメ、これもダメではなく、長く健康に保っていくために、一つずつ一緒に生活習慣の改善をしていきたらと思います。また、お食事やお薬についてもお気軽にご相談ください。

Q&A

Q1: 高血圧はなぜ『サイレントキラー』といわれるのですか?

A1: 高血圧は長期間放置しますと心臓や脳、腎臓に障害をきたし、最終的には心筋梗塞や脳卒中を起こします。(高血圧と合併症を参照ください) かなりの期間は高血圧そのものによる症状は全くなく、ある日突然、このような発作を起こし最悪の場合は死亡に至ります。そのようなことからサイレントキラーとも呼ばれるわけです。高血圧にならないために、減塩、肥満の予防(食べ過ぎに注意)、運動(よく歩く、できれば1日1万歩)、節酒、ストレスの解消、十分な睡眠などに気を付けて下さい。また、血圧が高めの人は家庭血圧の測定により日頃から血圧に関心を持っていただき、定期的な診察をおすすめします。

 

Q2: 高血圧は遺伝するのですか?

A2: 高血圧のうちおよそ90%占める本態性高血圧は複数の遺伝因子と環境因子が関与するもので糖尿病や脂質異常症などと同様、多因子疾患です。遺伝子が係る程度(寄与度)は30%から70%といわれています。また、日本人では特に食塩に対して血圧が上がりやすいタイプの遺伝子を持っている人が多いといわれています。いわゆる体質として遺伝しますので親族に高血圧の人がいるかたは高血圧にかかりやすいといえます。このような方はとくに減塩、肥満対策など生活習慣に気をつける必要が有ります。

 

Q3: “食塩感受性高血圧”って何ですか?

A3: 高血圧には、塩分の影響を受けやすいタイプ(食塩感受性高血圧)と、そうでないタイプ(食塩非感受性高血圧)とがあります。つまり、塩分をひかえることで血圧が改善されやすいタイプと、そうでないタイプということができます。

私たちのからだには、血液中の塩分(ナトリウム)濃度を一定に保つ機能が備わっています。ナトリウム濃度が低下すれば腎臓で再吸収し、反対に濃度が高くなれば腎臓から排出する機能です。
ところが食塩感受性タイプの人では、腎臓でのナトリウム排出機能に障害が生じやすく、血圧が上昇すると言われています。日本人は塩分感受性の遺伝子が高頻度であり、かつ元々塩分摂取量が非常に多いという環境もあり、高血圧患者の4割程度を占めると推定されています。

食塩感受性高血圧には、まだ明確な定義や診断基準はなく、そのため数値などから、自分が食塩感受性タイプかどうかを知ることはできません。高血圧の治療を受けている場合には、減塩によって顕著な血圧の改善がみられる方は、このタイプといえるでしょう。食事療法による効果が期待できるタイプともいえますが、同時にリスクも忘れるわけにはいきません。
食塩感受性高血圧の場合、心臓や血管などにかかる負担が大きく、食塩非感受性高血圧と比較すると、心臓病や脳血管障害を発症するリスクが2倍以上になることが指摘されています。
そのため一時的に血圧が改善されても、自分が塩分に影響されやすいことを忘れず、油断せずに減塩を続けることが大切です。

また以下の状態は、食塩感受性タイプの可能性があるので注意しましょう。

親の両方、またはいずれかが食塩感受性高血圧である(遺伝しやすいとされています)

中高年である(一般に加齢にともない可能性が高くなります)

肥満気味である(肥満やメタボリックシンドロームの人は、食塩感受性タイプになりやすい)

④糖尿病である

腎臓障害がみられる(腎臓の機能低下と関連しやすい)

⑥ARB(エーアールビー)やACE(エーシーイー)阻害薬内服中の人

⑦外食など塩分の多い食事が続くと、血圧が上昇しやすい(毎日の食事内容を記録しながら、家庭血圧を継続的に測定することにより、影響度を知ることができます)

このような状態の方には、利尿剤がよく効くと言われています。

Q4: なぜ高血圧治療に検査が必要なのですか?

A4: 高血圧の治療の前に、高血圧の原因や重症度、臓器障害の程度を調べます。それらの結果次第で治療方針も違うからです。

  1. あなたの高血圧が治癒可能な二次性高血圧か否かを検査によって調べます。そのために診察や血液や尿の検査を行います。
  2. 高血圧は、脳血管、心臓、腎臓などを障害しますので、それらがどの程度進んでいるかを評価します。
  3. 高血圧以外に、脳心血管疾患に対する危険因子の有無を調べます。(メタボリックシンドロームの有無、糖尿病の有無、脂質異常症の有無、現在のライフスタイルに関する詳しい聞き取り、血縁者に若い時の脳卒中や心臓病があるかどうかなど)

Q5: 白衣高血圧症と言われましたが、どうしたらいいのですか?

A5: 診察室で医師によって測定された時に高血圧となる場合を白衣高血圧といいます。今は白衣高血圧であっても将来高血圧になる場合もありますし、血管や心臓などに高血圧によると思われる軽度の障害が検査で認められる場合もありますので、ただちに治療を開始する必要はありませんが、半年あるいは1年毎の定期的な診察は必要です。さらに、定期的に自分でも家庭血圧を測定し、血圧が上昇してこないかをチェックしておくことが大切です。家庭血圧の平均が135/85mmHg両方、あるいはどちらか一方を常に超えるようになれば治療が必要となります。

 

Q6: 収縮期血圧(上の血圧)と拡張期血圧(下の血圧)ってなんですか?

A6: 収縮期血圧(上の血圧)は心臓が収縮して全身へ血液を送り出す圧で、拡張期血圧(下の血圧)は収縮を終わり、次の収縮開始寸前までの間の圧です。収縮期の血圧上昇の方が拡張期の血圧上昇よりも心臓・血管病の危険因子としては大きいと言われていますが、どちらも血圧の管理が必要です。

 

Q7: 一度降圧薬を飲むと一生飲み続けなければならないと聞いています。本当でしょうか?

A7: 確かに一生飲み続けるのが必要な方もおられますが、定年によりストレスが減って血圧が正常化する方や、減塩や減量、運動療法が成功し血圧が下がることもよくあります。このような場合は降圧薬は不要となります。また、夏期は血圧が正常になり、一時的に中止される方もいらっしゃいます。大事なことは、家庭血圧の測定値、定期的な受診により評価することです。また中止したあとも定期的に経過をみる事が大切で、もし血圧が再度上がるようでしたら、降圧薬を再開します。

 

 

大阪、都島・野江内代のサクラ糖尿病・腎臓・内科クリニックでは2人の専門医が高血圧を含め内科を幅広く診療しております。困った症状は放置せずに受診をおすすめします。

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