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糖尿病・診断について

糖尿病とは

“血糖値が高い状態が長く続く疾患”

“血管の合併症を引き起こす疾患“

“食べたものをエネルギーに変えることができない疾患”

と言い換えることができます。

糖尿病とは、「尿に糖が出る病気」と書きますが、実際には糖尿病は血液中のブドウ糖濃度「血糖値」が上昇することで尿に糖が出てきます。
実際には血糖値が160~180mg/dLで尿糖が出現します。そして、糖尿病の診断には必ず血糖値を測定する必要があります。

 

この血糖値には「インスリン」が深く関わっています。

食事の中の、炭水化物(米・パン・麺類など)はブドウ糖に分解されて腸から吸収され血液の中に移動します、つまり血糖値が上がります。
それに対して膵臓からインスリンが分泌されることで、健常者の血糖値は80~140 mg/dLという狭い範囲内でコントロールされています。

インスリンは膵臓に存在するβ(ベータ)細胞から血液中に分泌され、血糖値を下げる働きがあります。
下げるといっても単純にブドウ糖を消し去るのではなく、ブドウ糖を必要とする臓器(「筋肉」や「脂肪」及び「肝臓」)に送り込み、送られたブドウ糖はエネルギー源として使われ、貯蔵されます。
また肝臓も血糖値と深く関わっています。
肝臓は空腹時にはブドウ糖を産生し、血液に送り出します。
そして、インスリンは肝臓からの糖の産生を抑える働きがあります。
インスリンは、このように体内で糖の流れ(糖代謝)に深く関わる筋肉・脂肪・肝臓という臓器に作用し、血糖値を適切な状態に保っているのです。

体内には血糖値を上げるホルモンがグルカゴン、副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモン、成長ホルモン、カテコラミンなどたくさんあります。
一方で、血糖値を下げるホルモンは、インスリンのみです。
これは生物が飢餓から生命を守るために作られた機構と考えられており、飢餓による低血糖に対する備えが充実している一方で、飽食に対しての備えは不十分なのです。
野生動物とは違い、ヒトは食事を楽しみ、必要以上に食べることもあります。
したがって、インスリンの働き以上に食べてしまったり、インスリンの分泌が悪くなると血糖値が上昇してしまうのです。

では、食べ過ぎだけが糖尿病の原因かというと そうとは限りません。

糖尿病になる原因として、大きく2つのタイプに分けることができます。
1つはインスリンの分泌自体が少なくなる(インスリン分泌障害)、もう1つはインスリンの働きが悪くなる(インスリン抵抗性)によるものです。
インスリン分泌障害は、名前の通り、膵臓のβ(ベータ)細胞から分泌されるインスリンが低下することで、肝臓や筋肉などの細胞に取り込まれるブドウ糖が少なくなり、血糖値が上がってしまいます。
インスリン抵抗性とは、インスリンが十分に分泌されていても、うまく働くことができずに細胞に取り込まれるブドウ糖が少なくなり、血糖値が上がってしまいます。
この2つのタイプには遺伝的因子(家族歴、糖尿病になりやすい体質)や環境因子(生活習慣、肥満、食べ過ぎ、運動不足、喫煙など)が関わりあっています。
遺伝的因子は変えようがありませんが、環境因子は今からでも変えることができます。
実際に糖尿病の発症予防に大規模な臨床研究としてDPP(Diabetes Prevention Program )(Knowler WC et al. N Engl J Med. 2002;346:393-403.)というものがあります。
これは米国で行われた”糖尿病予備軍”かつ肥満の人々を対象とし、薬物療法(糖尿病治療の第1選択といわれるメトホルミンという薬)や生活習慣の改善で糖尿病の発症を予防できるか調べたものです。
生活習慣の改善においては、食事や運動などの指導が行われ、結果として薬物療法を上回る糖尿病発症抑制効果が認められました。
やはり、生活習慣病というからには生活習慣の改善が非常に効果的であるということです。

糖尿病の「診断」について

糖尿病の診断には、空腹時や随時の血糖値及び75gブドウ糖負荷試験(75gOGTT)の結果を用います。
空腹時とは10時間以上絶食にした状態の血糖値で、通常夜9時以降に食事をしないで翌朝9時頃に血液検査を実施します。
75gOGTTというのは糖尿病の診断に使われる検査で、75gのブドウ糖の入った甘いサイダーを飲んで、飲む前(空腹時)、30分後、1時間後、2時間後の血糖値を測定します。
「正常型」では空腹時血糖値 110 mg/dL未満、 2時間後の血糖値 140 mg/dL未満となります。
一方で、空腹時の血糖値 110~125 mg/dL、 2時間後の血糖値 140~199 mg/dLのものを「境界型」、空腹時血糖値 126 mg/dL以上、 2時間後の血糖値 200 mg/dL以上だと「糖尿病型」と診断します。
「境界型」というのは、いわゆる「糖尿病予備群」のことです。境界型は糖尿病の発症するリスクが高いことや、心血管疾患を発症するリスクが高いことが分かっており、生活習慣の介入や定期的な検査が必要です。
また、「随時の血糖値」とは食事と採血時間を問わずに測定した血糖値を指し、随時血糖値 200 mg/dL以上も糖尿病の診断基準となります。

そして補助的にHbA1c(エイチビーエーワンシー、ヘモグロビンエーワンシー)の値も組み合わせて糖尿病の診断を行います。
HbA1cとは過去1~2か月の血糖値の平均を反映したもので、この数値をもって、血糖コントロールの状態を判断していきます。
HbA1c 6.5%以上を糖尿病の診断基準の指標の1つとして使用します。

参考文献:糖尿病専門医研修ガイドブック

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