眼科受診の大切さ
看護のゴカン〜ナースブログ〜第2回
糖尿病をお持ちの方、眼科受診していますか?
いよいよ夏本番の8月!「8」を横にすると「8」→「∞」何かに似ていませんか・・?そうです、今月のゴカンは目、“視覚”です。糖尿病患者さんの眼科受診の必要性についてお話いたします。
糖尿病はあるけど眼は「正常」って言われたので、受診しなくても良いですよね?
→糖尿病網膜症は自覚症状がないことがほとんどで、気づいたらかなり進行している場合があります。糖尿病網膜症は日本における中途失明原因の第2位で、年間約3000人が糖尿病網膜症から失明に至っています。このため、糖尿病患者さんの場合、眼に異常が無くても、最低1年に1回は眼科受診を行ってください。すでに網膜症を発症している場合は、主治医や眼科医と受診間隔について相談しておくことが大切です。
糖尿病網膜症を発症しない、進行させないためにはどうしたら良い?
→ 第一はやはり血糖コントロールです。しかし、もし血糖値が著しく高い場合、急に血糖値を下げると網膜症をかえって悪化させるという報告もあるため、血糖値は緩やかに下げてく必要があります。
第二は血圧管理と脂質異常症の治療です。高血圧や脂質異常症は糖尿病網膜症を悪化させると言われています。一般的な目標値は、家庭血圧で125/75mmHg未満、中性脂肪(TG)値は150mg/dL未満、善玉コレステロール(HDL)値は40mg/dL以上とされています1)。
最後に運動するときの注意点ですが、血圧の急激な変動は出血のリスクを高めるため、息をこらえたり力(りき)んだりする運動は行わないでください。体力を維持する程度の有酸素運動(歩行や自転車など)は許可される場合がありますが、運動についても主治医とよく相談しておくことが大切です。
引用文献
1)メディカルレビュー社:糖尿病療養指導ガイドブック2021,p199,2021