第3回 災害に備える糖尿病治療!
看護のゴカン〜ナースブログ〜第3回
近年、大阪で発生した大災害といえば、2018年(平成30年)に関空連絡橋にタンカーが衝突した台風21号、1995年(平成7年)に発生した阪神淡路大震災などを思い浮かべる方もおられると思います。
9月は防災週間です。今回のテーマは、薬物療法を行っている方の災害への備えと対応についてです。今回の“ゴカン”では五感(六感)すべてをフル活用していきましょう。
1.災害に“備える”
・内服・注射薬は3日~1週間程度は余分にもっておきましょう。
大阪は陸・海・空のどこからでもアクセスできるため、他の自治体に比べアクセスは良い方だと言われています。しかし薬などの救援物資が届くまでの数日間は自力で乗り越えなければなりません。普段からお薬の残数・残量は確認しておいてください。
・薬の管理はお薬手帳やスマートフォンの活用を。
複数のお薬を使用されている方は覚えるのが大変だと思います。色や形状などの特徴を記憶しておくことも大切ですが、視覚的にすぐにわかるようにしておくと、いざという時により伝わりやすくなると思います。。
2.もし災害が起こってしまったら
・少々の血糖値の上昇は許容しましょう。
災害時に配給される食事は、パンやジュースなどの炭水化物が多く、またこれに心理的ストレスや運動不足なども加わり血糖値は上昇しやすくなります。食べ方のコツとしては、ゆっくりよく噛むこと、野菜やタンパク質があればそちらから先に食べ始めるなどの工夫で血糖値の急激な上昇を抑えましょう。
・エコノミークラス症候群を予防しましょう。
エコノミークラス症候群とは、固まった血の塊が血管につまり、肺塞栓や脳梗塞などの病気を引き起こすことを言います。水分をこまめに摂ること、軽いストレッチや運動を行うことで予防することができます。以下の運動も参考にしてください。
「エコノミー症候群予防のための足運動」厚生労働省Hp (https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10600000-Daijinkanboukouseikagakuka/0000170800.pdf)
3.避難所生活になった場合は感染に注意しましょう。
避難所では多くの人が生活しているため普段よりも感染しやすい状況にあると言えます。手洗いやうがい等の徹底、怪我の発生に十分注意してください。注射を使われている方で、ご自身のみで使用される場合に限り針の再利用はやむを得ないですが、すでに使用済みの注射や針を他の人と貸し借りすることは止めましょう。